母乳に含まれる栄養

母乳は100を超える物質が含まれ、赤ちゃんの栄養としてはほとんどパーフェクトといっていいものです。まず、母乳がミルクより圧倒的に優れている点として、免疫物質が含まれていることがあげられます。免疫物質は母乳にずっと含まれ続けているのですが、出産後最初に出てくる初乳には特に大量に含まれます。そして、胃や腸の粘膜の表面に広がり細菌やウィルス、アレルギー物質の進入を防ぎます。これにより、赤ちゃんはおよそ半年の間は、病気に対する抵抗力を持つことができると言われています。

 

カルシウムや鉄分の吸収、脳や中枢神経の発達、さらにはビフィズス菌の増加を促す乳糖は、牛乳の2倍も含まれます。乳糖はゆっくりと分解されていくので赤ちゃんの体にとても優しい糖分です。脳や網膜の発達を促すタウリン、リノール酸などの不飽和脂肪酸、脂肪の分解を助けるリパーゼも含まれます。各種ミネラルも赤ちゃんが分解消化できるちょうどいい量が含まれ、ビタミンもバランスよく取れるようになっています。ただし、ビタミンKだけは含まれていないため、シロップで投与します。また、母乳に含まれるたんぱく質や脂肪分は非常に消化がよく、赤ちゃんの胃に負担をかけません。

 

赤ちゃんの体に必要なものほとんどすべてが適量に含まれる母乳は、赤ちゃんを育てていく栄養としてもっとも望ましいものです。そして、そのことのみならず、母乳を与える行為そのものが、お母さんの愛情を赤ちゃんにストレートにすばらしいスキンシップなのです。