母乳育児Q&A

母乳育児Q&A

Q. 母乳で育てると病気になりにくい?

 

A. 母乳がミルクに比べて圧倒的に勝っている点は、免疫物質が含まれている点です。特に出産後、最初に出てくる黄色がかった初乳は免疫物質を大量に含むので、必ず飲ませてあげたいものです。免疫物質は赤ちゃんの胃や腸の粘膜にまるでワックスをかけたように広がって、細菌やアレルギー物質、ウィルスが体内に入り込まないようにブロックします。この初乳の免疫物質で、およそ半年の間、赤ちゃんは病気に対する抵抗力を持つといわれています。その後、母乳はさらさらとした白い成乳と呼ばれるものに変わりますが、引き続き免疫物質は少しずつ含まれ続けます。また、母乳はほ乳瓶のミルクと比べて、赤ちゃんが力を使わないと飲めないので、自然に顎が丈夫になり、噛む力も備わります。顎を使うことで脳の発達も促されます。母乳で育てることで、赤ちゃんの体の中のよい循環がうまれてくるのです。

 

 

Q. 育児休暇をとらない場合は母乳を与えないほうがいい?

 

A. 産休明けから仕事に復帰する予定であっても母乳育児をあきらめる必要はありません。もちろん、赤ちゃんはご実家や保育園に預けることになりますから、妊娠期間からのしっかりした準備が必要です。母乳で育てていく強い希望を伝え、ミルクではなく母乳をほ乳瓶で飲ませてもらうように頼まなくてはなりません。なかなか受け入れてくれる保育園が見つからないかも知れませんが、あきらめずに探してみてください。仕事に復帰してからも、日中の母乳を搾乳して冷凍保存しておかなければなりませんから、よりお母さんは忙しくなることでしょう。職場の都合や、通勤の都合で、どうしてもミルクの保育園しか見つからない場合、そのときは、家に帰ってきたときに十分におっぱいをあげればいいと考えましょう。あまり思いつめると疲れてしまいます。完璧でなくてもいいのです。ケースバイケースで乗り切りましょう。ただ、そのときは、日中授乳ができないことでおっぱいが張ってしまいますから、乳腺炎にならないように搾乳するなどの注意が必要です。

 

 

Q. 桶谷式のマッサージとは?

 

A. 桶谷そとみさんという助産師さんが創始者です。独自のマッサージによって、母乳の出ない人も、母乳の詰まってしまった人も、スムーズに授乳できるよう改善を促してくれます。マッサージのほかにも、母乳育児についての悩みや、栄養指導など、さまざまな相談に乗ってくれます。乳頭が小さすぎたり、扁平、陥没していたり、一見して母乳が出にくそうなおっぱいも、桶谷式のマッサージを受ければほとんどの人が十分な量の母乳が出てくるようになります。また、出過ぎる母乳も適正な量の分泌に抑えることができるようになります。乳管が詰まって乳腺炎になってしまった人にも、マッサージで速やかに回復を促します。桶谷式のマッサージは痛くなくて気持ちいい、というのも大きな特徴でしょう。母乳育児を進めていく上では力強い味方になってくれるところですから、トラブルを抱えて困ってしまったら、母乳育児相談室などを訪ねてみるといいでしょう。

 

 

Q. 母乳育児にメンタルケアは必要?

 

A. 母乳育児を進める上で、ご主人やご両親のメンタルケアはお母さんの前向きな気持ちを支える大変重要なものです。母乳育児は赤ちゃんが欲しいときにいつでもおっぱいをあげることが基本ですから、授乳回数はミルクで育てられた赤ちゃんよりずっと多くなります。夜中に何度も起きて授乳する期間も長く、お母さんの疲労はお父さんが想像するよりも大きいものです。かといって、授乳はほかの誰にも代わってもらうことはできないとお母さんは十分に理解していますし、その意味で赤ちゃんにとって唯一の存在であることは喜びでもあります。お母さんの気持ちを受け止めてあげる人が近くにいれば、また元気にがんばって育児を続けていくことができます。「つかれたな」「しんどいな」というお母さんの呟きを聞き逃さずに、耳を傾けてあげてください。もちろん、かわってあげられる家事は積極的に手を貸してあげてください。

 

 

Q. 母乳マッサージを受けると母乳が良く出る?

 

A. マッサージを受けると母乳は良く出るようになります。もちろん自分でできるマッサージでも母乳は出やすくなりますが、桶谷式など専門の技術を持ってするマッサージを受けると、驚くほど母乳の出が良くなります。乳頭が小さい、扁平、陥没などの理由で母乳育児をあきらめかけた人が、マッサージを受けることで立派に続けていける例はたくさんあります。逆に母乳が出すぎて困っている人も、マッサージにより分泌する量をコントロールすることもできます。ミルクも決して悪くはありませんが、母乳こそ赤ちゃんにとってもっとも良い栄養であることは間違いないのです。母乳でわが子を育てたいというしっかりした意思を持って、必ずできると信じてください。そして、マッサージを受けにいってください。母乳育児において、マッサージの持つ効果はまさにミラクルです。

 

 

Q. 喫煙や飲酒は母乳に影響する?

 

A. お母さんがお酒を飲むと、血液にアルコールが溶け込みます。母乳は血液から作られますから、当然母乳にアルコールが含まれることになります。赤ちゃんのために、授乳期間はできるだけお酒を我慢してください。どうしても飲みたくなってしまったら、授乳の直後に少しだけならいいでしょう。ビールをコップ1杯ほどだったら、1時間ほどで血液のアルコール濃度は元に戻りますから、2〜3時間空けて授乳すれば影響はほとんどありません。けれど、タバコは厳禁です。タバコをすうと母乳には血液と同様、ニコチンが含まれてしまいます。ニコチンが赤ちゃんの体内に入ってしまうと心臓などの循環器に悪影響を及ぼすことがわかっています。それだけでなく、お母さんが周辺の人が吸ったタバコの煙を吸ってしまうことでも、赤ちゃんが将来、喘息になりやすくなってしまうのです。授乳期間は、お母さんがタバコを吸わないことはもちろん、ご主人にも近くでタバコを吸わないよう、よく話し合っておいてください。

 

 

Q. 卒乳の時期は?

 

A. 卒乳の時期をあまり意識する必要はありません。赤ちゃんが「もう要らない」といって離れたときが卒乳の時と考えて、赤ちゃんが欲しがったらいつでもおっぱいを口に含ませてあげてください。以前は「断乳」と言って、1歳頃になると母乳を飲ませるのをやめようという傾向がありました。けれど、赤ちゃんは自然におっぱいを求めます。そして授乳のスタイルこそ、お母さんと赤ちゃんのスキンシップとして理想的な形なのです。断乳することは赤ちゃんにとってはつらいことです。おっぱいを口に含むことで赤ちゃんは安心します。いつまでもおっぱいをくわえ続ける赤ちゃんはいません。自然に離すときが来るまで、授乳を続けることが、豊かな情緒を育てていくのです。

 

 

Q. 妊娠したら卒乳させるべき?

 

A. 妊娠初期は子宮の状態もお腹の赤ちゃんの状態も不安定です。授乳は子宮の収縮を起こしますから、授乳を続けることは流産を引き起こす可能性があります。下のお子さんの妊娠が確定したら、まず医師に上のお子さんの授乳をしていることを相談してください。上のお子さんの年齢が低く、妊娠がなければまだまだゆっくりおっぱいを飲んでいられるくらいだと、お母さんもかわいそうになってしまいます。しかし、下の子の誕生は、上の子にとっても、すばらしい贈り物です。言葉で納得することができなくても、必ずわかってくれる日はやってきますし、卒乳までのつらさをお母さんが別のスキンシップで取り返してあげらるチャンスはいくらでもあります。もし、上のお子さんの授乳が原因で流産を引き起こしてしまったら、お母さんの心に深い傷を作ってしまいます。それは、上のお子さんの心にも傷を残すことになってしまうでしょう。くれぐれも慎重に対処してください。