初乳を必ず与える
赤ちゃんが生まれて最初に出てくる母乳を初乳といいます。生後2週間ほどすると出てくる成乳と違い、粘り気があり色も黄色がかっています。母乳育児において初乳は特別に大切なものです。なぜ初乳がそんなに大切なのでしょう。初乳には感染から赤ちゃんを守る免疫物質が大量に含まれているからです。免疫物質(分泌型免疫グロブリン)は赤ちゃんの胃や腸の粘膜にワックスを塗ったように広がって、細菌やウィルス、アレルギー物質が体内に侵入することを防ぎ赤ちゃんを守ってくれます。
無菌状態のお母さんのお腹の中から誕生したばかりの赤ちゃんは、そのままでは細菌やウィルスに抵抗力がありません。お母さんがどんなに清潔を心がけても、いったんお母さんの体内から出てしまえば、赤ちゃんの周りにはさまざまな雑菌が存在します。初乳を飲ませることで、赤ちゃんはおよそ6ヶ月間感染症から守られるほどの強い抵抗力を持つことができます。その、守られている間に、赤ちゃんは自分で自分を守っていく力を育てていくのです。
成乳にも免疫物質は含まれていますが初乳に含まれる量に比べれば、ずっと少なくなっています。まるで初乳で粘膜をしっかりカバーした後は、こまめにメンテナンスを繰り返していくような、すばらしいシステムです。母乳を飲ませている間中、それはずっと続くのです。神秘的とも言えるほどの不思議な営みではないでしょうか?お母さんから赤ちゃんへの最初のプレゼントとも言える初乳を、必ず飲ませてあげましょう。