授乳の回数を多くする
出産後すぐに溢れるほど母乳が出てくる人は、まず見当たりません。母乳がたくさん出てくるようになるのは、まさに赤ちゃんとの共同作業です。そして赤ちゃんも生まれてすぐに上手におっぱいを吸うことはできません。たくさんおっぱいが出ないお母さんに、おっぱいが上手にすえない赤ちゃんは頻繁に「お腹がすいたよ」と泣きながらメッセージを送ります。お母さんは一日に何度でも、赤ちゃんが泣いたら母乳を上げてください。赤ちゃんが一生懸命おっぱいを吸えば、それが刺激となって母乳がどんどんおっぱいの中に作られていくのです。すぐに赤ちゃんがお腹いっぱいになるくらいのおっぱいが作られるようになります。
母乳はミルクに比べて消化がいいため、短時間にお腹が空いてしまいます。さらに、赤ちゃんが飲んでいる量が測れないため、生後何ヶ月だとどのくらい、という一般にミルクの缶に書いてあるような基準はありません。ですから、母乳保育では授乳の回数はミルクで育てるよりは多くなります。けれど、その授乳こそが赤ちゃんとお母さんのもっとも望ましいスキンシップなのです。
授乳のとき、お母さんは赤ちゃんを抱っこしてじっと目を見つめます。赤ちゃんにたくさん話しかけてください。そしてそれが母乳であるならば、赤ちゃんに伝わるお母さんの体温は、より温かく、結びつきはよりしっかりしたものになっていくことでしょう。授乳の回数が多いということは、それだけたくさんの赤ちゃんとのスキンシップが取れることと考えていけたら、素敵ですよね。